数学を勉強しようと思っても、何から始めればいいのか分からない。
教科書を読み直した方がいいのか。
問題集を最初からやった方がいいのか。
公式を覚え直した方がいいのか。
もっと簡単な問題に戻った方がいいのか。
数学が苦手になっているほど、やることがたくさんあるように見えてしまいます。
すると、「まず何をすればいいんだろう」と考えているうちに、なかなか勉強を始められないことがあります。
そんなとき、私は最初から勉強計画を細かく作らなくてもよいと考えています。
まず確認したいのは、今の自分が数学のどこで止まっているのかです。
今回は、手元にある問題を使って確認してみましょう。
まず、今取り組んでいる問題を1問だけ解いてみる
新しい参考書を用意する必要はありません。
学校の課題、塾の課題、問題集、テストで間違えた問題など、今取り組んでいるものから1問選びます。
できれば、「簡単すぎる問題」でも「まったく見たことがない問題」でもなく、習ったはずだけれど少し不安な問題を選んでみてください。
そして、答えや解説を見ずに一度解いてみます。
ここで大切なのは、正解することではありません。
自分がどこで止まるのかを見ることです。
解けなかったとしても、それだけで「数学ができない」と判断する必要はありません。
止まった場所によって、次にやることは変わります。
確認1 問題に書かれていることは分かるか
まず確認したいのは、問題そのものを理解できているかです。
問題文を読んだときに、次のことを確認してみてください。
- 何を求める問題なのか分かる
- 与えられている条件が分かる
- 図や式が何を表しているのか分かる
- 知らない言葉や記号がない
もし、この段階で止まっているなら、いきなり問題をたくさん解くより、教科書や授業ノートなどでその単元の基本を確認した方が進みやすいかもしれません。
例えば、「二次関数の最大値を求めなさい」と書かれていても、「最大値」が何を意味しているのか曖昧なら、その問題の解き方以前のところで止まっています。
この場合に必要なのは、難しい問題への挑戦ではなく、まず言葉や基本事項を確認することです。
ここが分かれば、次の段階へ進みます。
確認2 最初に何をすればよいか思いつくか
問題の意味は分かる。
でも、そこから何をすればいいのか分からない。
数学が苦手な人には、この状態もよくあります。
ここでは、すぐに答えを見る前に、次のことを考えてみます。
- この問題は、どの単元の問題か
- 授業で似た問題を見たことがないか
- 使えそうな公式や定理はないか
- 図を書いたり、条件を式にしたりできないか
- 分かっている数字や条件から何か求められないか
正しい方法をすぐに思いつかなくても構いません。
まずは、「自分なら何を試すか」を一つ考えてみます。
それでも何も出てこなければ、教科書の例題や似た問題、解説などを確認します。
そのときは答えだけを見るのではなく、「最初に何をしているか」に注目してください。
例えば、
「ここで平方完成するのか」
「まず図を書くのか」
「この公式を使うのか」
と分かれば、それが今の自分に足りなかった一つの手がかりです。
確認3 解き方が分かった後、自分だけで解けるか
解説を読むと、「なるほど」と思える。
ここまで来ると、分かったような気持ちになります。
でも、ここでもう一つ確認します。
解説を閉じて、同じ問題をもう一度解いてみてください。
最初から最後まで自分で進められるでしょうか。
もし解けたなら、その問題については一歩進んでいます。
一方で、解説を閉じるとまた手が止まるなら、「理解できていない」と単純に考える必要はありません。
解説を読めば内容は理解できるけれど、自分で解き方を取り出すところがまだ安定していない可能性があります。
この場合は、教科書を最初から全部読み直すより、同じ問題をもう一度解いたり、似た問題で同じ考え方を使ったりする方がよいことがあります。
3つを確認すると、次にやることが変わる
ここまでの確認を整理してみます。
同じ「数学が苦手」という状態でも、止まっている場所によって次にすることは違います。
- 問題の意味や基本事項が分からない → 教科書や授業内容に戻って確認する
- 問題は分かるが、最初の一手が出ない → 例題や似た問題から解き方の手がかりを確認する
- 解説は分かるが、自分では解けない → 解説を閉じて解き直し、似た問題でもう一度試す
「数学が苦手だから、全部やり直さなければいけない」と考える必要はありません。
まず一つの問題を使って、自分がどこで止まっているのかを見る。
それだけでも、次にやることはかなり絞れます。
実際に1問で試してみる
ここまで読んだら、読むだけで終わらせずに1問だけ試してみてください。
手元にある問題を一つ選びます。
そして、次の順番で確認します。
- 答えを見ずに、一度自分で解いてみる
- 止まった場所を確認する
- 必要なところだけ教科書や解説で確認する
- 解説を閉じて、もう一度同じ問題を解く
ここで、最初より少しでも先へ進めたかを見てください。
例えば、最初は何も書けなかったのに、2回目は式を一つ書けた。
途中までしかできなかった問題を、最後まで解けた。
同じところで止まったけれど、「何が分からないのか」は分かった。
どれも、次の勉強につながる確認です。
解く → 確認する → 必要なところを直す → もう一度解く。
数学の勉強では、この繰り返しが大切です。
最初から完璧な勉強計画を作らなくてもいい
数学が苦手になると、「中学数学から全部やり直した方がいいのでは」「問題集を何周すればいいのだろう」と、大きな計画を考えたくなることがあります。
もちろん、長い目で見れば計画が必要になることもあります。
ただ、最初から完璧な計画を作らなくても勉強は始められます。
今日取り組む1問から、自分の状態を確認することができます。
その1問で基本事項が分からなければ、そこを戻る。
最初の一手が出なければ、似た例題を確認する。
解説は分かるのに自分では解けなければ、解き直してみる。
こうして今の状態に合わせて、次の行動を一つ決めていきます。
解説は分かるのに、自分では解けなかった人へ
今回の確認3で、「解説を読んでいると分かるのに、閉じると自分では解けない」となった人もいると思います。
この状態は、単純に「理解していない」とは限りません。
解説を理解することと、自分で必要な考え方を取り出して問題を解くことには違いがあります。
この状態については、次の記事で詳しく説明しています。
数学は解説を読めばわかるのに、自分では解けない。その原因はどこにある?
「何から始める?」の答えは、今の自分を確認することから
数学の勉強を何から始めればよいかは、全員同じではありません。
公式を覚え直した方がよい人もいれば、問題を解く練習を増やした方がよい人もいます。
だからこそ、最初から「この勉強法が正解」と決めるのではなく、まず今の自分を確認してみてください。
問題の意味は分かるか。
最初の一手は出てくるか。
解説を見た後なら、自分で解けるか。
一つの問題でも、この3つを見ると、自分がどこで止まっているのかが少し見えてきます。
そして、必要なところを一つ確認して、もう一度やってみる。
数学の勉強は、「全部できるようになってから」進むものではありません。
今できるところを確認し、できなかったところを一つ直し、もう一度確かめる。
その積み重ねから、「自分にもできる」は少しずつ増えていきます。
