数学のテストで、最後まで問題を解き終わらない。
テストが終わった後に問題を見ると、
「これなら解けたのに」
「もう少し時間があればできたのに」
と思うことがあります。
そんなとき、
「もっと速く計算できるようにならないと」
「時間配分をうまくしないと」
と考えるかもしれません。
もちろん、それが必要な場合もあります。
ただ、数学のテストで時間が足りなくなる原因は、計算の速さだけとは限りません。
まず確認したいのは、テスト中のどこで時間を使っていたのかです。
「時間が足りなかった」だけでは、次に直すことが分からない
同じ「時間が足りなかった」という結果でも、その途中で起きていることは人によって違います。
例えば、
- 最初の方の問題を慎重に解きすぎた
- 一つの難しい問題を長く考え続けた
- 計算に時間がかかった
- 解き方を思い出すまでに時間がかかった
- 途中で何度も解き直した
- 問題を行ったり来たりしていた
- 最後まで解いてから見直そうとして、見直す時間がなくなった
ということがあります。
これらを全部「解くのが遅い」とまとめてしまうと、次に何を変えればよいのか分かりません。
そこで、次のテストまでに一度、自分の時間の使い方を確認してみます。
まず、時間を測って問題を解いてみる
テスト中に何分使ったかを正確に覚えていなくても構いません。
普段の勉強で確認できます。
学校のテスト、模試、問題集などから、ある程度まとまった問題を用意します。
そして、いつものように解きながら時間を測ります。
ここで大切なのは、単に「全部で何分かかったか」を測ることではありません。
どの問題で時間を使ったのかも見てみます。
例えば、問題番号の横に、解き終わった時刻やおおよその時間を書いておくだけでも構いません。
実際に測ってみると、思っていたのとは違うところで時間を使っていることがあります。
確認1 解き方を考えるところで止まっていないか
問題を読んだ後、なかなか式を書き始められない。
何を使えばよいのか考えているうちに時間が過ぎていく。
この場合は、計算の速さよりも、問題を見て解き方を決めるところで時間を使っています。
例えば、
- どの公式を使うのか迷う
- 似た問題をやったはずなのに思い出せない
- 最初の一手がなかなか出てこない
- いくつかの方法を試してから解き始める
という状態です。
この場合、「計算を速くする練習」だけでは改善しないかもしれません。
普段の勉強で問題を解いた後に、
「この問題では、何を見てこの解き方を選んだのか」
を確認してみます。
答えが合ったかどうかだけでなく、解き始めるまでの判断にも目を向けます。
確認2 計算そのものに時間がかかっていないか
解き方はすぐ分かる。
でも、計算を進めるのに時間がかかる。
この場合は、先ほどとは違います。
例えば、
- 基本的な計算でも何度も手が止まる
- 途中式が複雑になりやすい
- 計算を何度もやり直している
- 途中で合っているか不安になり、何度も前に戻る
ということがあります。
ここでは、「もっと急いで計算する」と考える前に、どの計算で時間がかかっているのかを確認します。
特定の計算でいつも止まるのであれば、その部分を普段の勉強で取り出して練習することができます。
また、途中式の書き方を少し整理するだけで進めやすくなる場合もあります。
確認3 一つの問題に長くとどまっていないか
数学のテストでは、すぐに解き方が見えない問題もあります。
そのとき、
「もう少し考えれば解けそう」
と思って考え続けているうちに、かなり時間を使ってしまうことがあります。
そして後半に、自分なら解けた問題が残ってしまう。
これは、数学の力そのものとは別に、テスト中の判断が関係しています。
普段の演習でも、問題ごとに時間を確認してみてください。
一つの問題だけ、ほかより大きく時間を使っていないでしょうか。
もしそうなら、次の演習では、
「今すぐ解けない問題はいったん印をつけて、次へ進む」
という行動を試してみます。
何分で必ず飛ばす、と一律に決める必要はありません。
大切なのは、自分が一つの問題にとどまり続けていることに気づけるようにすることです。
「全部解いてから見直す」と決めなくてもいい
テストでは、「最後の10分で見直そう」などと考えることがあります。
しかし、最後まで解き終わらなければ、その見直し時間自体がなくなってしまいます。
そこで、見直しを最後だけの作業にしない方法もあります。
例えば、一つの問題を解き終えたときに、
- 問題で聞かれているものに答えているか
- 条件を落としていないか
- 明らかに不自然な答えになっていないか
だけを短く確認して次へ進みます。
すべてを細かく解き直す必要はありません。
その場で確認できることと、最後に確認することを分ける方法もあります。
時間が足りなかった問題を、時間を測らずに解いてみる
もう一つ、確認してほしいことがあります。
テストで時間が足りず、手をつけられなかった問題です。
後から、その問題を時間を気にせず解いてみてください。
すると、いくつかの状態に分かれます。
時間があれば自分で解ける。
時間があっても途中で止まる。
解説を見れば分かるが、自分では解き方が出てこない。
この違いは重要です。
時間を気にせず解けばできるのであれば、テスト中の時間の使い方を改善する余地があります。
一方で、時間があっても解けないのであれば、単純な時間配分の問題ではありません。
その単元の理解や、問題を自分で解く練習を確認する必要があります。
「時間が足りなかったから解けなかった」と決める前に、本当に時間だけが原因だったのかを確認する。
ここを分けると、次にやることが見えやすくなります。
次の演習では、変えることを一つだけ決める
原因が見えてきたら、次の演習で試すことを一つ決めます。
例えば、
- 一つの問題で止まり続けた → いったん印をつけて次へ進む
- 解き方を決めるまでが長かった → 解いた後に「なぜこの解き方を選んだか」を確認する
- 特定の計算に時間がかかった → その計算だけ取り出して練習する
- 最後に解ける問題が残った → 最初に全体を見て、取り組む順番を考える
一度に全部変えようとしなくても構いません。
一つ変えて、もう一度時間を測って問題を解きます。
そして、前回と比べます。
どこで時間を使ったか。
最後まで進めたか。
まだ同じところで止まったか。
改善していれば、その方法を続けてみます。
変わらなければ、もう一度原因を確認します。
今日できる「時間の使い方チェック」
数学のテストで時間が足りないと感じているなら、次のテストまで待つ必要はありません。
手元にある問題を使って、次の順番で一度試してみてください。
- いくつかの問題を用意する
- 時間を測って、いつものように解く
- どの問題で時間を使ったか確認する
- なぜそこで時間がかかったのか考える
- 次に変える行動を一つ決める
- 別の問題で、もう一度時間を測って確認する
これをすると、「自分は数学を解くのが遅い」という大きな悩みが、もう少し具体的になります。
例えば、
「計算が遅い」のではなく、
「解き方を決めるまでに時間を使っていた」。
あるいは、
「全部遅い」のではなく、
「分からない1問に長くとどまっていた」。
そこまで分かれば、次に取り組むことも変わります。
「速く解く」より先に、自分の時間の使い方を知る
数学のテストで時間が足りないと、速く解けるようになることばかり考えてしまうことがあります。
でも、必要なのは必ずしも手を速く動かすことだけではありません。
どこで考え込んでいるのか。
どの計算に時間がかかっているのか。
一つの問題にとどまりすぎていないか。
時間があれば本当に解ける問題なのか。
まず、自分の取り組みを確認してみてください。
その中から一つ変えることを決めて、次の演習で試します。
そして、もう一度時間の使い方を確認します。
時間が足りなかったという結果だけを見るのではなく、その途中で何が起きていたのかを見る。
そこから、自分に必要な改善を一つずつ見つけていくことができます。

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