問題集は、3周することが目的ではありません。数学で本当に確認したいこと

数学の勉強をしていると、

「この問題集は何周すればいいですか?」
「3周すれば身につきますか?」
「5周くらいやった方がいいですか?」

という疑問が出てくることがあります。

先に結論を言うと、「3周すればOK」「5周すればOK」と、回数だけで決める必要はありません。

なぜなら、同じ問題集を3周しても、できるようになったことは人によって違うからです。

見るべきなのは周回数ではなく、

「前に自分で解けなかった問題を、今は何も見ずに自分で解けるか」

です。

では、実際に問題集をどう使えばいいのでしょうか。

この記事では、1周目から問題集を終える判断まで、具体的に説明します。

数学の問題集は何周すればいい?

必要な回数は、問題によって違います。

1回目から自分で解ける問題もあります。

1回間違えて、確認したら次は解ける問題もあります。

何度確認しても、しばらくするとまた解けなくなる問題もあります。

それらを全部「3周」と決めて、同じ回数だけ解く必要はありません。

例えば、

  • 問題A:1回目から自力で解けた
  • 問題B:1回目は間違えたが、2回目は自力で解けた
  • 問題C:3回取り組んでも途中で止まる

という状態なら、問題Cにより多くの時間を使う方が自然です。

つまり、「問題集を何周するか」より、「どの問題をもう一度やる必要があるか」を考えます。

まず1周目でやること

1周目の目的は、問題集を終わらせることだけではありません。

現在の自分が、何をできて何をできないのかを確認することです。

問題を解いたら、正解・不正解だけではなく、自分がどの状態だったかを見ます。

私は、最初から細かすぎる分類を作る必要はないと思っています。

例えば、次の3つくらいでも十分です。

  • ○:何も見ずに自分で解けた
  • △:途中で迷った、ヒントや解説を少し確認した
  • ×:自分では解けなかった

これなら、問題番号の横に簡単に記録できます。

大切なのは、きれいな記録を作ることではありません。

後で「もう一度やる問題」が分かるようにすることです。

分からない問題で止まり続けない

1周目では、解けない問題に出会うことがあります。

そこで30分、40分と止まり続けると、問題集全体がなかなか進まなくなることもあります。

もちろん、考えることには意味があります。

ただし、

何をすればいいのか全く分からない。
使う公式も思い浮かばない。
考えているけれど同じところを行ったり来たりしている。

という状態なら、教科書や解説を確認して構いません。

一方で、途中まで進んでいて、別の方法も試せそうなら、もう少し考えてみる意味があります。

「何分考えればいいのか」については、別の記事で詳しく説明しています。

数学で分からない問題は何分考える?すぐ解説を見るのも、考え続けるのも違う

解説を見た問題は、その場で終わりにしない

解説を読むと、

「なるほど、そういうことか」

と分かることがあります。

でも、この時点ではまだ「自分で解けるようになった」とは限りません。

解説には、考え方も途中式も答えも書いてあります。

それを読んで理解することと、何もない状態から自分で解き始めることは違います。

そこで、解説を確認した問題には印を残しておきます。

そして、もう一度その問題を解きます。

今度は解説を閉じて、最初から自分で解けるかを確認します。

2周目は全部やり直す必要がある?

ここでよく出てくるのが、

「2周目も最初から全部解いた方がいいですか?」

という疑問です。

必ずしも、すべてを同じようにやり直す必要はありません。

1周目で何も見ずに解けた問題と、自分では解けなかった問題では、確認する必要性が違います。

まずは、△や×を付けた問題を中心にもう一度解いてみます。

そのとき、前回の解説を先に読まないことが大切です。

「前回勉強した結果、今の自分だけでどこまで解けるのか」を確認したいからです。

2周目でまた解けなかったらどうする?

一度勉強した問題なのに、また解けない。

これは珍しいことではありません。

ここで、

「自分は数学ができない」

と考える必要はありません。

むしろ、確認したいのは前回との違いです。

前回は最初から分からなかったけれど、今回は途中まで進めた。
前回と同じところで止まった。
公式は思い出せたけれど、使い方が分からなかった。

同じ不正解でも、中身は違います。

止まったところを確認して、必要なところをもう一度見直します。

そして、再び自分で解きます。

解き直しはいつする?

解説を読んだ直後に解き直すことにも意味があります。

まず、その場で考え方を再現できるか確認できるからです。

ただし、それだけで終わらせない方がよい問題もあります。

直後は解説の内容を覚えているため、解けることがあります。

そこで、特に自信のなかった問題は、少し時間を空けてもう一度解いてみます。

翌日でも、数日後でも構いません。

大切なのは「○日後」という数字そのものではありません。

解説の記憶が薄れた状態でも、自分で考えて解けるかを確認することです。

それでも解ければ、「分かった」から「自分で使える」に近づいています。

答えを覚えてしまったら意味がない?

同じ問題集を繰り返していると、答えを覚えてしまうことがあります。

「答えを覚えてしまったから、この問題を解き直しても意味がないのでは?」

と思うかもしれません。

そんなときは、答えそのものではなく、答えにたどり着く過程を自分で作れるかを確認します。

例えば、

  • なぜこの公式を使うのか説明できるか
  • 最初の一手を自分で決められるか
  • 途中式を自分で作れるか
  • なぜその変形をするのか説明できるか

を見ます。

答えが「4」だと覚えていても、4になるまでの考え方を自分で再現できなければ、まだ確認するところがあります。

答えを覚えているだけなのか、本当に解けるのか

それでも判断しにくい場合があります。

そんなときは、同じ考え方を使う別の問題に取り組んでみます。

数字が変わった問題。

聞かれ方が少し変わった問題。

同じ単元の別の問題。

そこで自分で考えられるなら、単に答えを覚えていただけではなく、考え方を使えるようになっている可能性があります。

反対に、元の問題だけ解けて、少し変わると全く分からなくなるなら、もう一度考え方を確認してみます。

正解した問題はもうやらなくていい?

これも「正解したから全部終了」とは限りません。

正解にも違いがあります。

自信を持って解けた。
かなり迷ったけれど偶然合っていた。
以前見た解法を何となく思い出して解いた。

同じ○でも状態は違います。

自信を持って解けた問題は、いったん外して構いません。

一方、正解したけれど不安が残る問題には△を付けて、後でもう一度確認します。

正解・不正解だけではなく、自分で再現できそうかを見てください。

何度やっても同じ問題が解けないとき

3回、4回と取り組んでいるのに、毎回同じ問題で止まることがあります。

この場合、単純に周回数を増やすだけでは改善しないことがあります。

例えば、

  • 前の単元の理解が不足している
  • 公式の意味を理解しないまま使っている
  • 解説を読むと分かるが、自分で最初の一手を決められない
  • 途中の計算で毎回止まっている

など、別の原因があるかもしれません。

「もう1周すれば何とかなる」と考える前に、どこで止まっているのかを確認します。

解説を読めば分かるのに、自分では解けない状態が続いている場合は、こちらの記事でも詳しく説明しています。

数学は解説を読めばわかるのに、自分では解けない。その原因はどこにある?

新しい問題集に進むのはいつ?

問題集を何周かすると、新しい問題集が気になってきます。

でも、

「3周したから次へ」

と周回数だけで決める必要はありません。

今の問題集を見て、次のようなことを確認してみます。

  • 以前×だった問題を、何も見ずに解けるようになったか
  • 解き方を自分で考え始められるか
  • 時間を空けても解けるか
  • 同じ考え方を使う別の問題にも取り組めるか
  • 何度も同じところで止まる問題が大量に残っていないか

こうした確認ができてきたら、次の教材へ進むことを考えます。

逆に、×や△がたくさん残っているのに新しい問題集を増やすと、どちらも中途半端になることがあります。

ただし、1冊を「100%完璧」にすることに縛られすぎない

ここも大切です。

「1冊を完璧にしてから次へ」

という言葉を気にしすぎると、難しい数問に長い時間を使い続けることがあります。

目的によっては、その問題をいったん保留にして次へ進む判断もあります。

学校の定期テストなのか。

受験勉強なのか。

基礎を身につけるための問題集なのか。

入試レベルの演習なのか。

残された時間はどのくらいあるのか。

目的と状況によって、「今、この問題にどこまで時間を使うか」は変わります。

完璧という言葉そのものを目標にするのではなく、自分の目的に必要な状態になったかを考えてください。

時間がないときは、全部を何周もしない

テストや受験まで時間が少ない場合は、問題集を最初から何周もする時間がないことがあります。

そんなときほど、1周目につけた○・△・×が役立ちます。

すでに自力で解ける○よりも、△や×を優先します。

さらにその中でも、

  • 少し確認すれば解けそうな問題
  • よく出てくる基本的な問題
  • 以前できたのに忘れている問題

などから取り組みます。

残り時間が少ないときは、周回数を増やすことより、今から改善できる問題を選ぶことが重要になります。

問題集の回し方をまとめると

ここまでを、実際の手順にすると次のようになります。

  1. 1周目:自分で問題を解き、○・△・×などで状態を記録する
  2. 確認:△・×の問題について、どこで止まったかを見る
  3. 改善:教科書や解説で必要なところを確認する
  4. 再挑戦:解説を閉じて、もう一度自分で解く
  5. 時間を空けて確認:特に不安な問題を、後日もう一度解く
  6. 対象を絞る:できる問題を減らし、まだできない問題に時間を使う
  7. 終了を判断:周回数ではなく、目的に必要な問題を自力で解ける状態になったかを見る

つまり、

解く → 確認する → 改善する → もう一度解く → 時間を空けてもう一度確認する。

問題集を繰り返す意味は、この中にあります。

今日からやるなら、まず10問だけ確認してみる

この記事を読んで、いきなり問題集のやり方を全部変える必要はありません。

今使っている数学の問題集を開いて、まず10問だけでも構いません。

何も見ずに解いて、

  • ○:自分で解けた
  • △:迷った、少し確認した
  • ×:自分では解けなかった

と印を付けてみてください。

そして、△と×について、

「なぜ解けなかったのか」「何を確認すれば次は解けそうか」

を見てみます。

そこから、もう一度解く。

前よりできるようになったか確認する。

問題集を何周したかではなく、昨日まで解けなかった問題を、今日の自分が解けるようになったか。

その変化を積み重ねるために、問題集を使ってみてください。

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