勉強している。
問題集も進めている。
勉強時間だって、以前より増えた。
それなのに、数学の成績がなかなか伸びない。
こんな状態が続くと、「もっと勉強しないといけないのかな」と考えたくなります。
もちろん、勉強時間が足りない場合もあります。
でも、すでにある程度勉強しているのであれば、時間を増やす前に一度確認してほしいことがあります。
その勉強で、「できなかったこと」は実際にできるようになっていますか?
今回は、勉強時間ではなく、勉強の中で何が変わっているのかを確認してみます。
まず「勉強したこと」と「できるようになったこと」を分けてみる
最近の数学の勉強を思い出してみてください。
「問題集を10ページやった」
「1時間勉強した」
「ワークを2周した」
こうしたことは、比較的思い出しやすいと思います。
では、質問を少し変えます。
その勉強によって、前はできなかった何ができるようになりましたか?
ここで答えにくくなるなら、一度勉強の中身を見直す価値があります。
勉強した量と、できるようになったことは、同じではないからです。
できる問題ばかり解いていませんか?
数学を勉強しているのに伸びないとき、よく確認したいことがあります。
それは、すでにできるところに多くの時間を使っていないかということです。
できる問題を解くと、スムーズに進みます。
丸もつきます。
「今日はたくさん勉強した」という実感も得やすくなります。
一方で、できない問題に取り組むのは大変です。
手が止まります。
間違えます。
解説を読んでも、すぐには分からないことがあります。
だから意識していなくても、いつの間にか自分が解きやすいところへ戻ってしまうことがあります。
これは単純に「やる気がない」という話ではありません。
人は、できることを繰り返している方が進んでいる感覚を持ちやすいものです。
だからこそ、自分で確認する必要があります。
今日解いた問題を3つに分けてみる
ここで、実際に確認してみましょう。
今日、または直近で解いた数学の問題を見返してください。
そして、次の3つに分けます。
- すぐに解けた問題
- 考えたり、確認したりすれば解けた問題
- 解けなかった、または解説を見ても自力では再現できなかった問題
数を正確に数えなくても構いません。
見たいのは、自分の勉強時間がどこに使われているかです。
もし1の問題ばかりを何度も解いていて、2や3の問題にはあまり戻っていないなら、勉強はしていても「できないことをできるようにする時間」が少なくなっている可能性があります。
「苦手な問題をたくさんやる」でもありません
では、解けない問題ばかりを大量にやればいいのでしょうか。
それも少し違います。
まったく手が出ない問題を何時間も眺め続けても、必ず理解が深まるわけではありません。
難しすぎる問題ばかりに取り組めば、今の自分に必要な基礎の確認が抜けることもあります。
大切なのは、苦しい問題を選ぶことではありません。
今の自分が「次にできるようになるべきところ」を見つけることです。
たとえば、答えまで解けなくても、
- 問題の意味は分かる
- 使いそうな公式は分かる
- 途中までは式を立てられる
- 解説を読めば、止まった理由が分かる
という問題なら、今取り組む価値が高いかもしれません。
「できる・できない」の二択ではなく、どこまでなら自分で進めるのかを見ることが大切です。
時間をかけるだけでは、改善点が見えないことがある
「今日は2時間勉強した」
これは勉強を続けるうえで、一つの記録にはなります。
ただ、時間だけを目標にすると、2時間の中で何を改善したのかが見えにくくなります。
30分でも、
「昨日は立てられなかった式を、今日は自分で立てられた」
のであれば、変化があります。
反対に2時間勉強しても、すでに解ける問題を同じ方法で繰り返しているだけなら、変化は小さいかもしれません。
時間は努力の量を見る目安にはなっても、改善そのものを表す数字ではありません。
「考えながら勉強する」とは何をすること?
「もっと考えて勉強しよう」と言われても、何をすればいいのか分かりにくいと思います。
難しいことを考える必要はありません。
一問解いたあとに、たとえば次のように自分へ問いかけてみます。
- なぜ間違えた?
- どこまでは自分でできた?
- 何が分かれば先へ進めた?
- 次に同じような問題が出たら、何を最初に見る?
- さっきと違う問題でも、この考え方は使える?
全部に答える必要はありません。
一つでも構いません。
問題を解いて丸付けをして終わるのではなく、解いた結果から次の行動を決める。
それだけでも、勉強の中身は変わります。
誰かに説明するつもりで考えてみる
自分の理解を確認する方法として、「誰かに説明するつもりで考える」のも一つです。
実際に誰かの前で話す必要はありません。
一問解いたあとに、
「どうしてこの式を使った?」
「なぜここからこうなる?」
「初めてこの問題を見る人には、どこから説明する?」
と考えてみます。
自分だけが答えを出せればいいときには飛ばしていた部分が、説明しようとすると気になることがあります。
途中式も同じです。
単に「途中式を書きなさい」と言われると面倒に感じるかもしれません。
でも、あとから自分や誰かが見て、どんな考え方で答えまで進んだのかをたどれるようにすると考えると、途中式の役割が少し変わります。
ただし、説明が上手にできること自体が目的ではありません。
説明しようとしたときに止まった場所を、自分の理解を確認する材料にします。
それでも伸びないなら、別の原因も確認する
ここまでの話が、すべての人に当てはまるわけではありません。
できないところにも取り組んでいる。
復習もしている。
自分で解き直している。
それでも成績につながらないことはあります。
その場合は、別のところも確認します。
- 今の単元より前の基礎で止まっていないか
- 勉強している内容と、テストで問われる内容がずれていないか
- 家では解けても、時間制限があると解けなくなっていないか
- 解説を読んで分かったところで終わっていないか
- 一度できた問題を、時間をあけてもう一度解けるか
成績が伸びない理由を、一つに決めつけないことも大切です。
原因が違えば、改善する場所も違います。
一人で勉強していると、自分の避けている場所は見えにくい
自分だけで勉強していると、判断するのも自分です。
どの問題をやるか。
どこまでできたら終わりにするか。
何を復習するか。
全部、自分で決められます。
これは自分で学習するために必要な力です。
一方で、自分が無意識に避けているところにも気づきにくくなります。
「ここはもう分かった」
「これは難しすぎるから後でいい」
そう判断したところが、本当にそうなのか。
ときどき、自分以外の人に説明したり、考え方を見てもらったりすることで気づくこともあります。
大切なのは、誰かに答えを教えてもらうことではありません。
自分では見つけにくい改善点を、外から確認する機会を持つことです。
次の勉強では「時間」ではなく、一つの変化を決めてみる
次に数学を勉強するとき、始める前に一つだけ決めてみてください。
「今日は2時間やる」だけではなく、
「昨日できなかったこの一問を、自分で式を立てられるところまでやる」
「解説を見たこの問題を、今日は何も見ずに解く」
「この公式を、どんな問題で使うのか説明できるようにする」
というように、勉強が終わったときに何が変わっていたらいいのかを一つ決めます。
そして、終わったら本当にできるようになったか確認します。
できなければ、失敗ではありません。
どこで止まったかが分かったので、次に直す場所が見つかりました。
勉強することと、改善することを同じにしない
勉強しているのに成績が伸びないと、「自分には数学が向いていないのかもしれない」と考えてしまうことがあります。
でも、その前に確認できることがあります。
勉強した時間ではなく、その時間の中で何を改善したのか。
できる問題を繰り返していないか。
できないところを無意識に避けていないか。
解説を読んで終わっていないか。
一問解いたあとに、なぜそうなったのか考えているか。
まず一つ確認します。
そして、一つ変えます。
そのあと、もう一度問題を解いて確かめます。
勉強する → 確認する → 改善する → もう一度確認する。
勉強時間をさらに増やすのは、そのあとでも遅くありません。

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